沖縄リーフチェック研究会

そもそもサンゴはどういう生き物?基礎知識を押さえておこう

 

サンゴは有名な生き物ですが、実態について詳しく知っている人は多くありません。そもそも植物として認識されがちですが、実はれっきとした動物なので誤解しないようにしましょう。あまり動いているイメージがないことや、海藻や岩のように海のなかに幻想な光景を生み出すことから、そのような勘違いが定着することになりました。

 

触手があってしかも毒針まで持っているのですから、植物と思ってあなどった状態で近づくと怪我をすることになりかねません。

 

さらに基礎知識として、ブロックのような立体的な個体は本体ではないことを覚えておきましょう。あれは本体が暮らす住まいのような役割を果たすものです。いわばマンションのようなものであり、群体と呼ばれることも多くて、本体の種類ごとにさまざまな形状があります。言い換えると、その形状が本体の種類を特定する材料になるというわけです。

 

本体が密集して生活している点では、巣を作る昆虫と似ているといえますが、両者には大きな違いがあります。昆虫は巣を自由に出入りできるのに対し、サンゴはそういうわけにはいきません。いったん固定してしまうと、基本的にはその中で暮らし続けることになるのです。プランクトンなどの食料を摂取するときも、自分の所定の位置から触手を伸ばすことになります。

 

天敵がいることも基礎知識として知っておくと良いです。その中でも特に危険な存在としてオニヒトデが挙げられます。覆いかぶさるようにして食らいついて、残りカスになるまで蹂躙していくのです。群がって食べつくそうとする光景がしばしば見られ、美しいサンゴの森がわずかな時間で廃墟のようになってしまいます。

 

魚のなかにも襲ってくる種類が多く、海中で生き抜いていくのは簡単ではないのが実情です。一方でサンゴに身を隠す形で生活するカニもいて、敵を撃退しようとして戦ってくれるなど、共生共存の関係ができている場合もあります。

 

人々にとってサンゴが素敵な存在であるのは見た目の影響だけではありません。動物であるにも関わらず、植物のように二酸化炭素を取り込んで酸素を出す役割があるのです。厳密には共生している藻類の作用によるものですが、二酸化炭素の増加問題に直面している現代において、貴重な存在であるのは間違いありません。

 

その作用は地上の植物を上回っていますし、もちろん海中を浄化する機能もあるため、将来に向けて保護していく対象として相応しいといえます。

サンゴの種類と生息地域

 

サンゴは、刺を発射させる刺胞細胞をもつ刺胞動物門に属する動物の一種で、ポリプと呼ばれる本体と石灰質の骨格の部分でつくられています。ポリプには触手に囲まれた口が存在し、摂食や排泄、産卵等を行っています。排卵を行うことで数が増え、世界中に様々な種類が存在していると考えて間違いありません。

 

世界には約800種存在しますが、日本では宮崎県や高知県、和歌山県等で100種以上確認され、沖縄では300種以上も確認されており、沖縄は世界的に数が多い海域と認識されています。種類を大きく分けると、ハードコーラルとソフトコーラルの2種類に分けることができると考えて間違いありません。

 

ハードコーラルは硬い骨を持っているのが特徴で、バブルディスクやスジチヂミトサカ等のソフトコーラルには硬い骨はありませんが小さな骨片を持っており、軟体サンゴという名前でも呼ばれています。ハードコーラルはポリプによって形成された骨格にポリプが住み着いたサンゴをとなり、ポリプの大きさによって2種類に分れていると考えて間違いありません。

 

骨格に対してポリプが小さい場合はSPSとなり、骨格が大きいため多くの栄養分を必要となり、光合成を行うために強い光が必要になります。骨格に対してポリプが大きい場合はLPSとなり、骨格が小さいためSPSよりも少ない栄養分で生息することができます。LPSとなるのがクサビライシで、代表的なSPSがミドリイシとなります。

 

LPSとSPSは、光合成を行うことで栄養を得ますが、岩陰や深い海等光が届きにくい場所にも生息している種もおり、光りをあまり必要としない陰日性サンゴも存在すると考えて間違いありません。陰日性はプランクトン等の餌を捕食して栄養を得ており、陰日性のハードコーラルと陰日性ソフトコーラルの2種類に分かれます。

 

陰日性のハードコーラルは骨格を持ち、捕食を行う必要があるため、餌を捕ることができやすいようにいようポリプが大型化しているのが特徴です。ポリプが小型なのは陰日性ソフトコーラルとなり、骨格は持ちません。陰日性ソフトコーラルとして有名なのがヤギで、他にもトゲナシヤギやベニウミトサカ等が存在し、陰日性のハードコーラルではキサンゴやイボヤギ等が存在します。

 

陰日性は数が少なく、光合成で栄養素作り出すミドリイシ等の好日性のほうが数が多いとされています。陰日性や好日性、ハードコーラルとソフトコーラル等、それぞれの特徴に応じて生息する場所は異なりますが、近年平均水温が上昇していることもあり和歌山県周辺でしか見られなかった種が千葉県周辺でも発見されています。