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日焼け止めとサンゴの白化の話
2008.2.28(木) 掲載
サンゴの体内に共生する褐虫藻が排出されて起きるサンゴ白化現象は、サンゴの大量死につながるので、現在世界中でその悪影響が懸念されています。白化現象が起きる理由に関しては、高温ストレスや農薬など、様々な環境ストレスが原因として指摘されています。

白化したミドリイシ属サンゴ(撮影:中村崇)
先月、アメリカの国際学術誌Environmental Health Perspectivesにおいて、日焼け止めの成分がサンゴの白化を引き起こすことを示した論文 (Danovaro et al. in press)が発表され、話題を呼んでいます。この論文によると、日焼け止めを含んだ海水にサンゴを曝すと、極めて低濃度 (海水1リットルあたり数万分の1リットル程度)でも96時間以内にサンゴ (主にミドリイシ属サンゴ)が白化してしまう結果が得られたそうです。日焼け止めの成分毎に調べると、日焼け止めによく用いられている7種の成分のうち、ブチルパラベンなどの4つの成分が、白化を引き起こすことも分かりました。
日焼け止めがサンゴの白化を促す原因として、著者らはウイルスの増加が原因ではないか、と考えています。日焼け止めに曝したサンゴ片周辺の海水のウイルスの量が明らかに増加していたことが分かったからです。また、処理を行なったサンプルの褐虫藻の周辺と内部にウイルスの凝集塊が見られたことから、日焼け止めによって褐虫藻に潜在的に感染していたウイルスの増加が生じ、褐虫藻の破壊が促されたのが白化の原因ではないか、と著者らは考えています。
これらの結果を踏まえて、筆者らはサンゴの生存には影響しない日焼け止めが今後使われるべきであることを提案しています。この論文の実験結果が、実際の野外でも起こりえるかどうかについては疑問の声もあるようですが、今後サンゴ白化の新しい要因として、日焼け止めも注目されることでしょう。
参考文献
Danovaro R, Bongiorni L, Corinaldesi C, Giovannelli D, Damiani E, Astolfi P, Greci L, Pusceddu A (2008) Sunscreens cause coral bleaching by promoting viral infections. Environmental Health Perspectives doi:10.1289/ehp.10966
執筆者:沖縄リーフチェック研究会編集グループ
日焼け止めとサンゴの白化の話
サンゴの体内に共生する褐虫藻が排出されて起きるサンゴ白化現象は、サンゴの大量死につながるので、現在世界中でその悪影響が懸念されています。白化現象が起きる理由に関しては、高温ストレスや農薬など、様々な環境ストレスが原因として指摘されています。

白化したミドリイシ属サンゴ(撮影:中村崇)
先月、アメリカの国際学術誌Environmental Health Perspectivesにおいて、日焼け止めの成分がサンゴの白化を引き起こすことを示した論文 (Danovaro et al. in press)が発表され、話題を呼んでいます。この論文によると、日焼け止めを含んだ海水にサンゴを曝すと、極めて低濃度 (海水1リットルあたり数万分の1リットル程度)でも96時間以内にサンゴ (主にミドリイシ属サンゴ)が白化してしまう結果が得られたそうです。日焼け止めの成分毎に調べると、日焼け止めによく用いられている7種の成分のうち、ブチルパラベンなどの4つの成分が、白化を引き起こすことも分かりました。
日焼け止めがサンゴの白化を促す原因として、著者らはウイルスの増加が原因ではないか、と考えています。日焼け止めに曝したサンゴ片周辺の海水のウイルスの量が明らかに増加していたことが分かったからです。また、処理を行なったサンプルの褐虫藻の周辺と内部にウイルスの凝集塊が見られたことから、日焼け止めによって褐虫藻に潜在的に感染していたウイルスの増加が生じ、褐虫藻の破壊が促されたのが白化の原因ではないか、と著者らは考えています。
これらの結果を踏まえて、筆者らはサンゴの生存には影響しない日焼け止めが今後使われるべきであることを提案しています。この論文の実験結果が、実際の野外でも起こりえるかどうかについては疑問の声もあるようですが、今後サンゴ白化の新しい要因として、日焼け止めも注目されることでしょう。
参考文献
執筆者:沖縄リーフチェック研究会編集グループ
