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チリビシのアオサンゴ(その2)

「何故あれほど大規模な、そして海岸からもほど近い場所にあるあのサンゴ群落が今迄全く知られていなかったのか?本当に不思議に思える程の圧倒的なスケールでそれは存在しています。

水底はおよそ14m、そこからほぼ水面近く迄約12m、下から見上げると壁のように「どぉ〜〜〜ん」と壁のように屹立するアオサンゴ群落。


撮影:didi Koga

個人的に世界中のあちこちの海で潜って来ましたが、あんなものは見た事がありません。本当に大浦湾の海には何度潜っても驚かされます。

驚くべきはその規模のみならず、そのサンゴ群落のほぼ全てが「生きている」という事。ご存知の通りケラマ諸島やチービシを含む沖縄本島付近のサンゴは殆どが「死にサンゴ」であり、昔はかくやと思われる程の「巨大なサンゴの墓標」のような景観が広がっている場所が多く胸が痛む事も多いのですがここのサンゴは下から上まで何処を見ても、ちゃんと生きておりました。


撮影:didi Koga

お陰で、その形状からしても何処か適当な場所(死んだ部分)に手や足を絡ませたり着底したりして撮影する事が出来ず、絶えず中層での撮影を余儀なくされノビデオカメラ泣かせであったとも言えましょう。

「サンゴ礁は命の揺りかご」とよく言うように、サンゴ群落の周辺やサンゴの中には数多くの小魚や稚魚が棲息しています。この日観測できた魚類は
■ハタ科(アオノメハタ、カンモンハタ、マダラハタ)
■メギス科(メギス、クレナイニセスズメ、ツバメタナバタウオ)
■タカサゴ科(タカサゴorイッセンタカサゴ:若魚群) 
■チョウチョウウオ科(フエヤッコダイ、アケボノチョウチョウウオ、チョウハン、トゲチョウチョウウオ、ハナグロチョウチョウウオ:幼魚、ミナミハタタテダイ)、ミスジチョウチョウウオ、フウライチョウチョウウオ、ゴマチョウチョウウオ
■アイゴ科(ヒフキアイゴ)
■ゴンベ科(ホシゴンベ、サラサゴンベ、メガネゴンベ)
■スズメダイ科(ハマクマノミ、クマノミ、カクレクマノミ、ハナビラクマノミ、シコクスズメダイ、ルリホシスズメダイ、クロスズメダイ:幼魚・成魚、クラカオスズメダイ、オヤビッチャ、フィリピンスズメダイ、アサドスズメダイ、オキナワスズメダイ:群、キホシスズメダイ、ミツボシクロスズメダイ:幼魚、ヒレナガスズメダイ:若魚、ネッタイスズメダイ、ミナミハタタテダイ:幼魚、レモンスズメダイ、イシガキスズメダイ、ロクセンスズメダイ、カブラヤスズメダイ、マルスズメダイ、メガネスズメダイ

■ベラ科(カマスベラ、ホンソメワケベラ、ヤマブキベラ:幼魚・成魚、クギベラ:幼魚・成魚、モチノウオ亜科:若魚、シマタレクチベラ、シチセンベラ、ヒレグロベラ、イトヒキベラ:幼魚)
■イソギンポ科(クロスジギンポ、テンクロスジギンポ、カモハラギンポ
イシガキカエルウオ)
■ハゼ科(クロユリハゼ、ダテハゼ、クビアカハゼ、ヤマブキハゼ、タカノハハゼ、オトメハゼ、アオギハゼ)
■ニザダイ科(ツノダシ、ノコギリハギ、キイロハギ、ゴマハギ、ヒレナガハギ:幼魚)
■カマス科(タイワンカマス:若魚〜成魚群)
■ハコフグ科(ミナミハコフグ:若魚)
■フグ科(シマキンチャクフグ)
■ウツボ科(アデウツボ)
■ヒメジ科(オジサン)
■フエダイ科(キュウセンフエダイ、マダラタルミ:幼魚)
■イサキ科(アジアコショウダイ:成魚)
■フエフキダイ科(ヨコシマクロダイ:幼魚、ノコギリダイ:成魚)
■その他(ギンポ数種、カエルウオ数種、エソ、トラギスなど)
など多種、多数(調査員:前島、HAL、千尋、泥々)。


撮影:didi Koga

中でもタイワンカマスの群れは小さいものから大きなものまでがサンゴの上をゆったり、ゆったり、逃げもせず近づきもせず固まったりバラけたりしながら我々人間と程よい距離を保ちつつたゆたっている様子がゆっくりと観測でき心なごむと同時に「ああ美味しそう」と食欲を刺激する光景でもあった事は言うまでもありません。


撮影:didi Koga

そういった意味でもサンゴの海は美しいだけでなくそこにいる生き物もそれに関る生き物(この場合は我々人間)の命も育むという、まさにそんな事の実感できる光景が広がっており、このサンゴ群落この大浦湾という海をいかにして未来に残すかという事が重く実感される、そんな1日でした。

水先案内人であり、このアオサンゴ群落の発見者でもある「じゅごんの里」東恩納琢磨氏が水中、ちょうど谷間のようになった場所(写真)にて非常に嬉しそうに「な!な!スゲエだろ!!ここからあそこまでぐぃ〜んッてな、行ってみ面白いから♪」とハシャいでいたのも印象的でした。


撮影:didi Koga

これからどんな調査をし、どんな発見があるのか非常に愉しみな海域であり、調査日は生憎の海況だった事もあって是非またの機会に何度でも潜って親しくなっていきたいポイントですね。」

尚、このアオサンゴ群落の様子は下記URLから映像でご覧戴けます
http://didi3.vox.com/library/video/6a00cdf3a162b0cb8f00e398b1609e0003.html

執筆者:古賀泥々