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ICRI(国際サンゴ礁イニシアティブ)総会に参加して
2007.4.26(木) 掲載
20007年4月23日・24日、東京池袋で開催された国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)総会にオブザーバー参加してきました。私はICRIとGCRMNの下にあるReefCheckの日本コーディネーターにあたるのでこの保全の枠組みの中にはいるのですが会議に出席する機会が今までありませんでした。今回は日本サンゴ礁学会評議員の枠を使ってオブザーバー参加させていただきましたのでその様子を簡単に報告いたします。
新聞報道でも報道されました「温暖化で消えるサンゴ礁、環境省が保全に乗り出す」
◆本会議に出席した国・組織;
日本、フランス、アメリカ、Coral Cay Conservation, COBSEA (Coordinating Body on the Seas of East Asia, CRISP (Computer Retrieval of Information on Scientific Projects), East Africa Coral Reef Task Force, フィジー、International Ocean Institute, IUCN(国際自然保護連合), Marine Aqarium Council, パプアニューギニア、南アフリカ、SPREP,タイ、TNC (The Nature Conservancy), UNEP(国連環境計画) Caribbean Environment Programme(CEP), UNEP Coral Reef Unit, 生物多様性条約(CBD)、ReefCheck Foudation,ベトナム、中国、世界銀行、GCRMN (Global Coral Reef Monitoring Network:地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク), ICRAN(国際サンゴ礁行動ネットワーク:International Coral Reef Action Network),CORDIO (Coral Reef Degradation) in the Indian Ocean
◆会議内容;
まず本会議の議題と目的の確認、続いて新しいICRIメンバーであるSCRFA(SCRFA:Society for the Conservation of Reef Fish Aggregations)、トンガ、バーミューダ、ブラジル、韓国の紹介、続いて事務局、各国、各機関からの報告がありました。
各機関からの報告の中ではReefCheck(RC)本部のホジソン博士が発表し、この10年間日本でRCコーディネーターをつとめた私の業績も話の中に取り上げていただきました。その他、今年がRCの10周年であること、本会議の出席者のほとんどが多かれ少なかれRCの関係者であると言えるほどこの10年間で発展したこと、(日本の沖縄本島周辺海域のデータのみを見ても)同一の手法を使い続けるということがいかに重要であるかということが報告されました。また、ちょうど10年前の国際サンゴ礁年(IYOR:International Year Of the Reef : 1997)にリーフチェックが世界的にスタートしたのですが、前回のIYOR時と比べて次回のものははるかに規模が大きくこの10年間の進歩というものがいかに大きかったかということが強調されました。
GCRMNからはモニタリング方法に関しては既存のものがオーストラリア海洋研究所(AIMS:Australian Institute
of Marine Science)から発行されているので、各人異なる方法を取るのではなくそれにのっとってモニタリングを進めて欲しいとのことが強調されました。
*Reef CheckはICRIとGCRMNの下にある組織という位置づけです。
初日は来年の国際サンゴ礁年(IYOR)をどのように遂行するかが議題の中心でした。日本、フランス、アメリカからそれぞれの取り組みについて報告があった後、ロゴの選択、情報管理、資金源の確保の方法、立ち上げに際するブレーンストーミング(時期、媒体、方法等)が行われました。

来年の国際サンゴ礁年用に選ばれたロゴ
2日目はITTO(国際熱帯木材機関), ISME(国際マングローブ生態系協会)からの発表の後、今後はマングローブ生態系もICRIと連携していくことが決まりました。その後、「サンゴ礁の酸性化について(温暖化との関連)」、「ITMEMS(*)のフォローアップ」、「マングローブ」の3つのグループに分かれ、話し合いが行われました。酸性化についてはまず情報となる論文をもっと集めること、マングローブ班ではは今後2つの生態系をどう組み合わせていくかさまざまな話し合いが行われました。ITMEMS班ではどのようにしたらITMEMSでの取り決めを活かすことが出来るのか、という議題のもとさまざまな方面に話題が飛びました。
ITMEMS班において話し合われたことで印象に残ったことの1つは、多くの場合サンゴの被度が高い地域 (High Coral Cover) が健康なサンゴ礁ということになっているが、実際はそうではないということ。被度が高いサンゴ礁ではかえって生物多様性が乏しいというケースも多々あります。逆に被度が低くとも多様で健全な生態系も存在します。サンゴの被度が高いというのは1つの指標にはなりますが、それが全てではないということです。議論の結果、文書の該当部分の記述には「高い被度を持つ healthy coral reefs 及び healthy coral reefs that contains various habitats (多様なすみかを含む健全なサンゴ礁」という言葉が選ばれました。現在までさまざまなサンゴ礁を見てきて同様の印象を受けていたので管理経験の長い方もそう判断していると聞き安心しました。
更にもう1点。最近は保全や管理に興味があるフリをする科学者が増えてきた (scientist pritending to be a conservationist / manager) ということがオーストラリアや米国では問題になっているということでした。日本は残念ながらそれを心配するほどの数の科学者すらいないということを残念に思いました。
*昨年10月にメキシコで開催された管理者のための国際会議。ITMEMS=国際熱帯海洋生態系管理シンポジウム(International Tropical Marine Environment Management Symposium)
また、Global Island Parnershipが形成されたという報告もありました。このパートナーシップはセイシェル、パラオ、フィジー、マダガスカル、グレナダ、キリバツから成り、
・資金源のめどはまだない
・政府とNGOの連携を図る
・地域的にも世界規模でも活動する
・戦略的なことは未定
という出発点に今いるそうです。
各所で目立ったのは既存のネットワークや情報、イベント、報告書を用いること、観光産業や漁業者を取り入れること、国際NGOを使うことという発言でした。どこも枠組みや連携がいくつも出来てはいるものの、相互の情報交換がスムーズには進んでいないようです。

会議の様子

閉会の様子(次回の議長国、アメリカとメキシコに旗が手渡されています)
◆感想◆
全体を通じて西洋諸国の底力を感じました。
・資金源の確保
・manager(管理者)の存在
・NGOの力の大きさ
の3つがポイントです。先進国の多くは、資金源や発言力を持つ環境関連の機関を政府が持っています。またNGOの数も力も非常に大きいので政府の環境担当機関でうまくいかない場合はうまくNGOが立ち回って環境保護に取り組むことが可能です。発展途上国の場合は先進国から資金面や人材面の援助を受けることが出来ます。また各組織とも資金確保が非常に上手です。世界銀行や国連等から資金を調達して効果的にプロジェクトを進めていることが、サンゴ礁関連の出版物やウェブサイトの多さでも測ることが出来ます。
そう考えてみると沖縄が置かれている状況は非常に難しいことになります。日本は立派な国際会議を開くことも出来るほどしっかりしている国なのでまさか資金援助が必要などとはまず思われていません。しっかりした力を持つ管理者が不在であるなどと思われてもいません。また日本全体の面積から見ても、他の東南アジアや太平洋島嶼の国々と比べてサンゴ礁が占める割合が非常に小さいです。沖縄を優先して取り上げなければいけない理由が他の国々からは見つからない状況です。
また、今回はReefCheck meeting(4/21)からのお付き合いの方々が多かったのでゆっくり話すことができたのですが、いずれの管理者(manager)もほとんど何らかの分野の博士号(ph.D)所有者であるとともに社会経験及び海外経験も持ち合わせていることを再確認しました(例:社会人経験数年後に博士過程に戻るとか働きながらパートタイムで10年かかって博士号を取る)。従って本会議出席者を見ても、広い視野を持っている人が多いです。また終身雇用制度という意識がほとんどなく仕事というものは数年間のプロジェクト単位で契約しそれを完遂したら次の仕事を得るものという社会認識があるので、それも広い視野を得ることにつながります。学歴が全てではありませんが、やはり論文等を読む力やまとめる力というものは大きく、また併せてさまざまな社会経験を持つということが重要であると改めて感じました。
まだまだ終身雇用制度なり生涯同じ職業につくことが望ましく思われており、社会人経験を経たのちに大学に戻ることが
普通のこととは捉えられていない日本では(特にそれを役所に望むのは)難しいと思いますが。
ハワイの政府機関の方(RCコーディネーターもつとめている方)はEcological Risk Assessment(環境影響評価法)のトレーニングを実施しCDや本を配布していますが、ただ単に出版物の配布をするのではなく、今後の使われ方を懸念し、特にいい加減な環境アセスメントを実施する企業に使われないよう細心の注意を払っています。
日本の場合はNGOの力も小さく、国や地元の環境関連の政府機関の力も弱く、他国の言うmanager(管理者)に相当する人/組織が欠落しているのが問題と思われます。また、地元との対話がうまく進まないのも問題です。最新のGBR(グレートバリアリーフ)のゾーニングの改定の頃(2002-3年)、私はオーストラリアにたまたま住んでいたのですが、GBRの海中公園の大きさやその規制内容を改定するにあたって、政府の人や研究者が繰り返し住民と対話の場を持っていたのを思い出します。日本の場合は政府関係者が説明会を開いても高圧的に決定を言い渡し質問など受け付けないことが多いですが(それでも新聞報道には「地元の人の理解を求めるために」と書かれますね)、全く異なる対話形式で本当に「住民の理解が得られるまで」話し合いは行われました。その点、沖縄は辺野古問題に関しても泡瀬問題に関しても地元の人との対話というプロセスが抜けています。また、地元との対話のプロセスに、政府と住民だけでなくNGOや科学者が入ることの必要性も強く感じました。
念願のICRI総会に出席できて大変勉強になったものの、この良い仕組みの中のどこに沖縄がフィットすることが出来るのか、まだまだきちんとしたサンゴ・サンゴ礁保全への道のりは長いと思いました。
(報告 by 安部)
留学中に机を並べて学んだAndrew Bauman氏と一緒に:
ICRI(国際サンゴ礁イニシアティブ)総会に参加して
20007年4月23日・24日、東京池袋で開催された国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)総会にオブザーバー参加してきました。私はICRIとGCRMNの下にあるReefCheckの日本コーディネーターにあたるのでこの保全の枠組みの中にはいるのですが会議に出席する機会が今までありませんでした。今回は日本サンゴ礁学会評議員の枠を使ってオブザーバー参加させていただきましたのでその様子を簡単に報告いたします。
新聞報道でも報道されました「温暖化で消えるサンゴ礁、環境省が保全に乗り出す」
◆本会議に出席した国・組織;
日本、フランス、アメリカ、Coral Cay Conservation, COBSEA (Coordinating Body on the Seas of East Asia, CRISP (Computer Retrieval of Information on Scientific Projects), East Africa Coral Reef Task Force, フィジー、International Ocean Institute, IUCN(国際自然保護連合), Marine Aqarium Council, パプアニューギニア、南アフリカ、SPREP,タイ、TNC (The Nature Conservancy), UNEP(国連環境計画) Caribbean Environment Programme(CEP), UNEP Coral Reef Unit, 生物多様性条約(CBD)、ReefCheck Foudation,ベトナム、中国、世界銀行、GCRMN (Global Coral Reef Monitoring Network:地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク), ICRAN(国際サンゴ礁行動ネットワーク:International Coral Reef Action Network),CORDIO (Coral Reef Degradation) in the Indian Ocean
◆会議内容;
まず本会議の議題と目的の確認、続いて新しいICRIメンバーであるSCRFA(SCRFA:Society for the Conservation of Reef Fish Aggregations)、トンガ、バーミューダ、ブラジル、韓国の紹介、続いて事務局、各国、各機関からの報告がありました。
各機関からの報告の中ではReefCheck(RC)本部のホジソン博士が発表し、この10年間日本でRCコーディネーターをつとめた私の業績も話の中に取り上げていただきました。その他、今年がRCの10周年であること、本会議の出席者のほとんどが多かれ少なかれRCの関係者であると言えるほどこの10年間で発展したこと、(日本の沖縄本島周辺海域のデータのみを見ても)同一の手法を使い続けるということがいかに重要であるかということが報告されました。また、ちょうど10年前の国際サンゴ礁年(IYOR:International Year Of the Reef : 1997)にリーフチェックが世界的にスタートしたのですが、前回のIYOR時と比べて次回のものははるかに規模が大きくこの10年間の進歩というものがいかに大きかったかということが強調されました。
GCRMNからはモニタリング方法に関しては既存のものがオーストラリア海洋研究所(AIMS:Australian Institute
of Marine Science)から発行されているので、各人異なる方法を取るのではなくそれにのっとってモニタリングを進めて欲しいとのことが強調されました。
*Reef CheckはICRIとGCRMNの下にある組織という位置づけです。
初日は来年の国際サンゴ礁年(IYOR)をどのように遂行するかが議題の中心でした。日本、フランス、アメリカからそれぞれの取り組みについて報告があった後、ロゴの選択、情報管理、資金源の確保の方法、立ち上げに際するブレーンストーミング(時期、媒体、方法等)が行われました。
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来年の国際サンゴ礁年用に選ばれたロゴ
2日目はITTO(国際熱帯木材機関), ISME(国際マングローブ生態系協会)からの発表の後、今後はマングローブ生態系もICRIと連携していくことが決まりました。その後、「サンゴ礁の酸性化について(温暖化との関連)」、「ITMEMS(*)のフォローアップ」、「マングローブ」の3つのグループに分かれ、話し合いが行われました。酸性化についてはまず情報となる論文をもっと集めること、マングローブ班ではは今後2つの生態系をどう組み合わせていくかさまざまな話し合いが行われました。ITMEMS班ではどのようにしたらITMEMSでの取り決めを活かすことが出来るのか、という議題のもとさまざまな方面に話題が飛びました。
ITMEMS班において話し合われたことで印象に残ったことの1つは、多くの場合サンゴの被度が高い地域 (High Coral Cover) が健康なサンゴ礁ということになっているが、実際はそうではないということ。被度が高いサンゴ礁ではかえって生物多様性が乏しいというケースも多々あります。逆に被度が低くとも多様で健全な生態系も存在します。サンゴの被度が高いというのは1つの指標にはなりますが、それが全てではないということです。議論の結果、文書の該当部分の記述には「高い被度を持つ healthy coral reefs 及び healthy coral reefs that contains various habitats (多様なすみかを含む健全なサンゴ礁」という言葉が選ばれました。現在までさまざまなサンゴ礁を見てきて同様の印象を受けていたので管理経験の長い方もそう判断していると聞き安心しました。
更にもう1点。最近は保全や管理に興味があるフリをする科学者が増えてきた (scientist pritending to be a conservationist / manager) ということがオーストラリアや米国では問題になっているということでした。日本は残念ながらそれを心配するほどの数の科学者すらいないということを残念に思いました。
*昨年10月にメキシコで開催された管理者のための国際会議。ITMEMS=国際熱帯海洋生態系管理シンポジウム(International Tropical Marine Environment Management Symposium)
また、Global Island Parnershipが形成されたという報告もありました。このパートナーシップはセイシェル、パラオ、フィジー、マダガスカル、グレナダ、キリバツから成り、
・資金源のめどはまだない
・政府とNGOの連携を図る
・地域的にも世界規模でも活動する
・戦略的なことは未定
という出発点に今いるそうです。
各所で目立ったのは既存のネットワークや情報、イベント、報告書を用いること、観光産業や漁業者を取り入れること、国際NGOを使うことという発言でした。どこも枠組みや連携がいくつも出来てはいるものの、相互の情報交換がスムーズには進んでいないようです。
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会議の様子
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閉会の様子(次回の議長国、アメリカとメキシコに旗が手渡されています)
◆感想◆
全体を通じて西洋諸国の底力を感じました。
・資金源の確保
・manager(管理者)の存在
・NGOの力の大きさ
の3つがポイントです。先進国の多くは、資金源や発言力を持つ環境関連の機関を政府が持っています。またNGOの数も力も非常に大きいので政府の環境担当機関でうまくいかない場合はうまくNGOが立ち回って環境保護に取り組むことが可能です。発展途上国の場合は先進国から資金面や人材面の援助を受けることが出来ます。また各組織とも資金確保が非常に上手です。世界銀行や国連等から資金を調達して効果的にプロジェクトを進めていることが、サンゴ礁関連の出版物やウェブサイトの多さでも測ることが出来ます。
そう考えてみると沖縄が置かれている状況は非常に難しいことになります。日本は立派な国際会議を開くことも出来るほどしっかりしている国なのでまさか資金援助が必要などとはまず思われていません。しっかりした力を持つ管理者が不在であるなどと思われてもいません。また日本全体の面積から見ても、他の東南アジアや太平洋島嶼の国々と比べてサンゴ礁が占める割合が非常に小さいです。沖縄を優先して取り上げなければいけない理由が他の国々からは見つからない状況です。
また、今回はReefCheck meeting(4/21)からのお付き合いの方々が多かったのでゆっくり話すことができたのですが、いずれの管理者(manager)もほとんど何らかの分野の博士号(ph.D)所有者であるとともに社会経験及び海外経験も持ち合わせていることを再確認しました(例:社会人経験数年後に博士過程に戻るとか働きながらパートタイムで10年かかって博士号を取る)。従って本会議出席者を見ても、広い視野を持っている人が多いです。また終身雇用制度という意識がほとんどなく仕事というものは数年間のプロジェクト単位で契約しそれを完遂したら次の仕事を得るものという社会認識があるので、それも広い視野を得ることにつながります。学歴が全てではありませんが、やはり論文等を読む力やまとめる力というものは大きく、また併せてさまざまな社会経験を持つということが重要であると改めて感じました。
まだまだ終身雇用制度なり生涯同じ職業につくことが望ましく思われており、社会人経験を経たのちに大学に戻ることが
普通のこととは捉えられていない日本では(特にそれを役所に望むのは)難しいと思いますが。
ハワイの政府機関の方(RCコーディネーターもつとめている方)はEcological Risk Assessment(環境影響評価法)のトレーニングを実施しCDや本を配布していますが、ただ単に出版物の配布をするのではなく、今後の使われ方を懸念し、特にいい加減な環境アセスメントを実施する企業に使われないよう細心の注意を払っています。
日本の場合はNGOの力も小さく、国や地元の環境関連の政府機関の力も弱く、他国の言うmanager(管理者)に相当する人/組織が欠落しているのが問題と思われます。また、地元との対話がうまく進まないのも問題です。最新のGBR(グレートバリアリーフ)のゾーニングの改定の頃(2002-3年)、私はオーストラリアにたまたま住んでいたのですが、GBRの海中公園の大きさやその規制内容を改定するにあたって、政府の人や研究者が繰り返し住民と対話の場を持っていたのを思い出します。日本の場合は政府関係者が説明会を開いても高圧的に決定を言い渡し質問など受け付けないことが多いですが(それでも新聞報道には「地元の人の理解を求めるために」と書かれますね)、全く異なる対話形式で本当に「住民の理解が得られるまで」話し合いは行われました。その点、沖縄は辺野古問題に関しても泡瀬問題に関しても地元の人との対話というプロセスが抜けています。また、地元との対話のプロセスに、政府と住民だけでなくNGOや科学者が入ることの必要性も強く感じました。
念願のICRI総会に出席できて大変勉強になったものの、この良い仕組みの中のどこに沖縄がフィットすることが出来るのか、まだまだきちんとしたサンゴ・サンゴ礁保全への道のりは長いと思いました。
(報告 by 安部)
留学中に机を並べて学んだAndrew Bauman氏と一緒に:![]()
