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サンゴの移植のシンポジウムに参加しました (1/13)
2007.1.15(月) 掲載
先週の土曜日(1月13日)は、沖縄県名護市の名桜大学において、サンゴの移植のシンポジウムが開催されました。詳しくはこちら。長年サンゴの研究に携わっている同大学の西平守孝教授がコーディネーターを務められ、会場には入りきれないくらいの人数が集まり、その関心の高さが伺えました。
最初の西平先生のお話では、サンゴの移植を取り巻く包括的な内容(保全、研究、教育、産業など)について触れられ、移植を行なう概念、その技術、そしてその実践と評価についての体系的な説明が行なわれました。それ以降の発表では、石西礁湖(定着具を用いた取り組み)、北谷、万座ビーチ、そして海外のバリ島の具体的な事例の紹介が行なわれました。
それぞれの移植の取り組みが、それぞれの地域に適した形を目指して創意工夫されている様子が伺えました。移植方法に関しても、数年前に聞いた時と比べると、随分問題点が解決してきた印象を受けました。凹んだ地形の場所では、そこにたまる転石の影響などで移植しても破壊されてしまうことや、サンゴ礁域にはもろい岩盤が存在し、そこに植え付けても台風の影響などで飛ばされてしまうので、固い岩盤を選ぶことの重要性などについて述べられていました。今後の展開として、更なる固着率の増加、植え付ける種数を増やす事などが上げられていました。
地域によって移植に取り組む主体は地元の市民団体や企業、政府関係者など多岐に渡り、発表後の総合討論においても、様々な分野からの質問が飛び交いました。適切な移植方法についてや、移植のデザイン(移植のゴールはどこにあるのか)、また遺伝的な攪乱や移植元をどのように選定するべきかなどの問題点などについて、多くの意見が交わされ、盛況に終わりました。
(報告 by 井口)
内容概略:
【西平先生のご発表の概略】
サンゴ群集は美しい景観を作るのみでなく、サンゴ礁の基盤となる構造を作り多様な生物のすみかとなっています。これはサンゴがなくなった海域からはそれまですんでいた生き物たちが姿を消し、単純な砂礫になってしまうことからもわかることです。従ってサンゴが増えてくれば他の生き物たちもその海域に戻ってきます。これをすみこみ連鎖といいます。(詳しくは「サンゴ礁-生物たちが作った<生物の楽園>-西平ら著」 参照)
移植の成功の条件は非汚染と非かく乱、すなわち移植する先の陸域や海域、自然環境の保全がなされていることが条件です。移植は「サンゴの占有面積を増加させる」という点ではプラスになりますが、マイナス面として「遺伝的多様性が低くなる」「他の生物のすみかだったかもしれない場所を占有してしまう」ということがあげられます。
その辺を考慮して遺伝子かく乱や法律違反(*特別採捕許可)にならない範囲で市民が楽しく、すなわち安価、容易、安全、高固着率で、草の根的に移植活動が進んでいくことを願っています。
*(参照:日本サンゴ礁学会「造礁サンゴの移植と特別採捕許可に関する要望とガイドライン」)
【総合討論より】:
*どの海域でも30-40種位を移植するようにしている。元々その海域に生息していた種 を用いるようにし、またポイントは「隙間をあけて植えること」。隙間をあけることにより 元々そこに生息していた生物が戻ってくることもでき、多様性を確保できる可能性が高 くなる。
*サンゴは一年生き残ればその後はかなり安定して成長する。最初の一年の生残率で 評価しないで欲しい
*石西礁湖ではサンゴ群集が良好な状態にあるように思われているが、80年代からの 観察によると回復する場所がかなり限られている。
*移植する前に堆積物の分布を調べる必要がある。堆積物のある場所にサンゴを移植 しても育たないので不適切。修復候補地の選定は重要。
*移植する先の地形によって成功率はかなり左右される。岩盤の強度にも左右される。
(報告 by 安部)
サンゴの移植のシンポジウムに参加しました (1/13)
先週の土曜日(1月13日)は、沖縄県名護市の名桜大学において、サンゴの移植のシンポジウムが開催されました。詳しくはこちら。長年サンゴの研究に携わっている同大学の西平守孝教授がコーディネーターを務められ、会場には入りきれないくらいの人数が集まり、その関心の高さが伺えました。
最初の西平先生のお話では、サンゴの移植を取り巻く包括的な内容(保全、研究、教育、産業など)について触れられ、移植を行なう概念、その技術、そしてその実践と評価についての体系的な説明が行なわれました。それ以降の発表では、石西礁湖(定着具を用いた取り組み)、北谷、万座ビーチ、そして海外のバリ島の具体的な事例の紹介が行なわれました。
それぞれの移植の取り組みが、それぞれの地域に適した形を目指して創意工夫されている様子が伺えました。移植方法に関しても、数年前に聞いた時と比べると、随分問題点が解決してきた印象を受けました。凹んだ地形の場所では、そこにたまる転石の影響などで移植しても破壊されてしまうことや、サンゴ礁域にはもろい岩盤が存在し、そこに植え付けても台風の影響などで飛ばされてしまうので、固い岩盤を選ぶことの重要性などについて述べられていました。今後の展開として、更なる固着率の増加、植え付ける種数を増やす事などが上げられていました。
地域によって移植に取り組む主体は地元の市民団体や企業、政府関係者など多岐に渡り、発表後の総合討論においても、様々な分野からの質問が飛び交いました。適切な移植方法についてや、移植のデザイン(移植のゴールはどこにあるのか)、また遺伝的な攪乱や移植元をどのように選定するべきかなどの問題点などについて、多くの意見が交わされ、盛況に終わりました。
(報告 by 井口)
内容概略:
【西平先生のご発表の概略】
サンゴ群集は美しい景観を作るのみでなく、サンゴ礁の基盤となる構造を作り多様な生物のすみかとなっています。これはサンゴがなくなった海域からはそれまですんでいた生き物たちが姿を消し、単純な砂礫になってしまうことからもわかることです。従ってサンゴが増えてくれば他の生き物たちもその海域に戻ってきます。これをすみこみ連鎖といいます。(詳しくは「サンゴ礁-生物たちが作った<生物の楽園>-西平ら著」 参照)
移植の成功の条件は非汚染と非かく乱、すなわち移植する先の陸域や海域、自然環境の保全がなされていることが条件です。移植は「サンゴの占有面積を増加させる」という点ではプラスになりますが、マイナス面として「遺伝的多様性が低くなる」「他の生物のすみかだったかもしれない場所を占有してしまう」ということがあげられます。
その辺を考慮して遺伝子かく乱や法律違反(*特別採捕許可)にならない範囲で市民が楽しく、すなわち安価、容易、安全、高固着率で、草の根的に移植活動が進んでいくことを願っています。
*(参照:日本サンゴ礁学会「造礁サンゴの移植と特別採捕許可に関する要望とガイドライン」)
【総合討論より】:
*どの海域でも30-40種位を移植するようにしている。元々その海域に生息していた種 を用いるようにし、またポイントは「隙間をあけて植えること」。隙間をあけることにより 元々そこに生息していた生物が戻ってくることもでき、多様性を確保できる可能性が高 くなる。
*サンゴは一年生き残ればその後はかなり安定して成長する。最初の一年の生残率で 評価しないで欲しい
*石西礁湖ではサンゴ群集が良好な状態にあるように思われているが、80年代からの 観察によると回復する場所がかなり限られている。
*移植する前に堆積物の分布を調べる必要がある。堆積物のある場所にサンゴを移植 しても育たないので不適切。修復候補地の選定は重要。
*移植する先の地形によって成功率はかなり左右される。岩盤の強度にも左右される。
(報告 by 安部)
